第1回 横浜市障害者施策推進協議会会議録 令和元年6月18日(火)14時00分~16時00分 かながわ労働プラザ 4階会議室 出席者(五十音順) 稲垣宇一郎委員 大友勝委員 大橋由昌委員 西山和彦委員 柴田康光委員 清水龍男委員 鈴木仁委員 須山優江委員 武安宣明委員 田中梨奈委員 中根幹夫委員 井上彰委員 広沢克紀委員 森和雄委員 山田初男委員 和田千珠子委員 渡邊雅子委員 欠席者 片岡充彦委員 渋谷治巳委員 多田葉子委員 永田孝委員 奈良﨑真弓委員 山口哲顕委員 渡部匡隆委員 開催形態 公開(傍聴者なし) 議題 (1)発達障害施策に係る諮問について (2)横浜市医療的ケア児・者等検討委員会の設置について (3)第4期横浜市障害者プランの策定について 報告事項 (1)平成30年度専門委員会の活動報告について 議事 1 議題1 発達障害施策に係る諮問について 事務局より資料1 について説明した。 森委員(職務代理者)/この諮問が行われ、答申に向けて作業が始まると思う。答申を作る課程に関与する方がこの中にもいると思う。この段階で質問や意見があれば受けたいと思う。 和田委員/この話は分からなくなることが多いので聞いておきたい。発達障害は大きく見ると精神障害に入っている時と入っていない時がある。この場合はどちらになるのか。 事務局/医学的には精神障害のカテゴリーとされている。発達障害検討委員会に関わっている方が委員にいる。議論を深める時には当事者の方にも困りごとやあったらいいことなど意見を聞こうと思っている。 渡邊委員/7ページについて。発達障害の方の親御さんから相談が多い。特性の1つに衝動性があると思う。それによっての家庭内暴力。親御さんが殺されかねないとして、それをどうしたらいいかという相談が増えてきている。ご本人もやめようと思っても止められないという症状があり、それに苦しんでいるようだ。私たちは精神障害の統合、双極の発達障害の方の相談とは少し違う。発達障害者支援センターが対応されていると思うが、大変なことだと思う。分散化できるようなシステム構築ができればいいと思う。これから成長期を迎える子どもを持つ親御さんは「発達障害だからいいわね」といわれる。しかし、どう成長するか心配されている。そうしたことをサポートする機関も必要だと思う。 清水委員/施策の方向性について。引きこもり等8050の問題もあり、早期の取組が大事といわれている。療育センターの初診までの待機期間が2か月と聞いている。早期に取り組むことが方向としてあると良いと思う。 須山委員/発達障害のことはよく知らない。親で発達障害のことを知らない方が多いと聞いている。親御さん同士のふれあいの場が大事だと思う。専門の方がこうした方がいいというより毎日の生活で親御さんの意見は参考になる。そういう場を作ってあげたらいいと思う。中学生までは発達障害の子どもが集まる場があるそうだが高校やそれ以上では、行く場所がない。交流の場所がなく、引きこもりになって、うつにつながると私も聞いている。うつになるととても大変だ。何もできない状態になる。うつの方と接したことがあるが、食事もできず水も飲めない。ただ横になって、寝ている状態だそうだ。その前の段階が大事になると思う。 大橋委員/前回もディスレクシアのことを話した。発達障害は、幅広い概念がある。私たちと共通する問題を持っているのが、発達障害の中でもディスレクシア関係の人たちだ。文字と音声が頭の中で合致しない。学習障害といわれる人の中に多く見られる。発達障害の教育問題の議論の場ではデジタル教科書の問題が出てきている。日本リハビリテーション協会も含め、全国的にも教科書作りをしている施設やグループが増えている。横浜市の場合、マルチメディアデイジーなどの教科書作りに取り組んでいる専門的なところなどは聞いていない。発達障碍者に対する教育現場での支援体制作りが、どの程度考えられているのか、連携だけの議論が先走っても困る。これからどういう支援体制を作り上げ、どういう連携をとるのか、具体的な部分だが、そのあたりの問題を計画の中にはっきり盛り込んでもらいたい。 森委員/議題1について、答申を行う方向で了承していただけるか。 (一同了承) 議題2 横浜市医療的ケア児・者等検討委員会の設置について 事務局より資料2 について説明した。 森委員/皆さんの意見をお伺いする前に武安委員から補足があればお願いしたい。 武安委員/私の出身区の磯子区では4月から動き始めている。始まったばかりで、具体的にどうやるか、どういう方向でやるかは、磯子でも考えあぐねている段階だ。いずれにせよ、走りながらやるのかと思っている。 森委員/意見があればお願いしたい。質問でも構わない。 清水委員/協議の場として部会を設置するのはいいことだと思う。障害者プランにおいて、重症心身障害者の多機能型拠点を6か所設置することになっている。現在は3か所だ。海側の3か所はまだ進んでいない。毎年横浜市の次年度予算の要望で出しているが、この夏も同じことを言うことになってしまう。残りの3か所の設置を急いでほしい。 事務局/障害者プランの昨年の見直しで、6か所の整備目標は継続している。整備箇所の候補地の選定作業は進めているが、結論は出ていない。今後も鋭意、候補地の選定を進めて、出来るだけ早く整備していきたい。 須山委員/人工呼吸器、医療的ケアを日常的に必要とするということで設定をしている。聴覚障害者は新生児で聴覚検査をする。難聴や聞こえないことが分かると、人口内耳など医療にかかわる方法で聴力を回復する方向にもっていく。新生児に対する聴覚検査はあまり行われていないようだ。これも医療的ケアに入れていただきたい。 事務局/新生児の時から聴力を調べ、早めに対応するのは必要なことだと思う。市でも新生児聴覚の検査に対する補助事業や視覚や聴覚の検査を早く実施することを進めている。医師会の協力で進めていることをこの場をお借りして皆さんにも知っていただきたい。 武安委員/4歳児からしている検診を3歳児に年齢を下げた。低年齢で見つけるほど回復が早いと耳鼻科医会から提案があった。 和田委員/医療関係者の方もいるので、伺いたい。精神障害者が内臓疾患になったとき、精神科のある病院でないと受け入れてもらえない。たらい回しになることがある。先日、知り合いが結石ができたが、精神科のある病院が見つからず治療が遅れてしまった。その点はどうなっているのか。 事務局/課題だと思っている。救急の話が出たが、身体と精神疾患がある場合、受け入れる病院を医療局の事業で行っている。そういうところでの対応はあるかと思う。全体的に今後の課題だと思っている。 森委員/今後の課題という言葉がたくさん出てきている。解決しなければならないと思う。この項目で話したりない方がいればお願いしたい。なければ、検討委員会を設置するということでご了承いただけるか。 (一同了承) 議題3 第4期横浜市障害者プランの策定について 事務局より資料3について説明した。 森委員/第4期障害者プランに自分たちが望んでいるものが載るかどうか、大きな意味を持つと思う。これを始めるにあたり、準備方法の提案が事務局よりあった。意見や質問などがあればお願いしたい。局からスケジュールが出ているのに異を唱えるつもりはないが、工夫などあれば出してもらいたいと思う。現場の声を聴いていただき、工夫をしてほしいと思う。当事者や家族の視点と行政の視点は一致しない。それを前提にプランを考えなくてはならないと思う。 大橋委員/正直言って、ヒアリングの時に徒労感がある。障害当事者から意見を聞いたという、アリバイ作りのためにやらされている感じがする。視覚障害者に限定すると、意思疎通支援事業として、代読・代筆サービス等の実施を求めているが、。これは任意事業なので横浜市はやろうとしない。視覚障害者にとって、聴覚障害の手話通訳や要約筆記に相当する重要なサービスだと思っている。神奈川県視覚障害者福祉協会が、厚生労働省の地域生活支援室の係長を派遣してもらい、代読・代筆サービスなどについて市・町の担当者を集めて研修を行った。同じように浜視協が呼び掛けて、横浜市の18区の担当者を集めて、研修をやりたいと思っているが、健康福祉局に協力していただけないだろうか。第4期障害者プランに向けて話をするのもよいが、福祉局が数値目標などを盛り込むつもりがないとしたら、ただ要望を言うだけで終わってしまう。平行線の状態を打破するためにも、厚労省を交えた研修など取り組めないものか。 事務局/個別の質問と理解した。夏に各団体と意見交換をする。どれができるのか、どこが課題かを共通認識にしたい。今日、この場でできるかどうかをお答えすることはできない。 大橋委員/しょうがない。 森委員/今後の申し出もあると思う。全体の進め方として、第4期プランがこういう形で作られていくことでよろしいか。 田中委員/第3期、中間でグループインタビューや、当事者のワーキングなどがあったと記録を読んだ。そのときの議論で、精神障害関連の方は2名しかワーキンググループに出席されていなかった。理由を聞いたところ、推薦が来なかったとか、関係団体から適当な方がいないとされてしまったようだ。どういう場を設けるか、というよりはどういう方法で選ぶのか、どういう働きかけをして声を拾うのか、という姿勢が必要だ。特に精神障害の方の場合、入院中の方の声をいかに拾うか、家族の代行を防ぐという工夫も必要だ。ヒアリングも説明会もやっているし、様々なツールでの声かけもあるが、本当に声をあげたいと思っている人には届いていない。そのあたりも含めて考えていかないといけない。 森委員/ここを膨らませて話をしたい。意見をお持ちの方はお聞かせいただきたい。どういう方がメンバーを選択して、その方の話を聞こうとなるのか。行政の視点を持った人がメンバーとして選ばれることになっている。果たしてこれで良いのか。ご意見があればお伺いしたい。大橋委員から「アリバイ」という言葉がでた。何となく、そういう事を感じて「誰の声を聞いたのだろう」という気持ちも残る。そのあたりを健康福祉局のほうで考えていただきたい。意見があれば事務局に持ち込んで話していただければと思う。 須山委員/聴覚障害者も役員の意見が中心となっている。聴覚障害者はコミュニケーションが不自由だ。できれば市にも工夫していただき、ホームページだけでなく、メール、FAXなどで募集してほしい。そうすれば違った意見も集まると思う。意見を集める方法を工夫してほしい。 森委員/皆さんの意見を受けて事務局から何か答えてほしい。 事務局/ご指摘があったように、いただいたご意見をフィードバックしていく。広く意見をいただくにはどうしたらいいかなど、出来る限りの工夫をしていきたいと思う。より良い政策づくりをしていきたい。集約していく部分もあるので、プロセスも大切にしたいと思う。 須山委員/こんなことを言っていいのか分からないが、議員さんと話す機会がある。そこで横浜市への要望も話す。時間が短く、3分くらいでは言いたいことも言えない。その時間を延ばしていただく工夫もお願いしたい。 大橋委員/私たちの会だけではないと思うが、障害者団体は会員の高齢化、減少に歯止めがかからない。視覚障害者は6400人くらいいて、300人くらいしか会員ではない。5%にも満たない数字で、障害者の団体として発言してもいいのかというレベルだ。意見を出しても、当事者団体の声として重く受け止められているのか疑問だ。ストレートに要求が実現しなくても、代替策としての落としどころなどにフィードバックされているのならまだいいのだが、組織率の悪い当事者団体からは意見だけ聞いておけばよいという姿勢では困る。そのあたりの信頼関係をもう1度振り返っていただかないと、健康福祉局は何となく信用できないと思ってしまう。信頼関係はヒアリングを通して、お互いに納得できるように工夫して、少しでも福祉計画に数値目標が書き込めるようにしてほしい。 森委員/「信頼関係がない」というのはとても言えなかった言葉だと思う。なんでも言える関係を作ることが大事だと思う。今は結論を求めていないので、「了承した」という形にはなってはいないが、局の考える方向で進めて大筋はよいと思う。皆さんが意見を出したときには聞いて進めていただきたい、というのが私の頭を通過したみなさんの気持ちだと思う。 報告事項1 平成30年度専門委員会の活動報告について 事務局より資料4について説明した。 和田委員/福祉授産所のことが分からない。障害者が子どもを産む場所だと勘違いをしていた。これは具体的にどういう場所なのか。 事務局/授産所は場外のある方が通う場所で、「働く場所」という意味で「授産所」と名付けている。「産」は「産業」の意味だと思う。福祉授産所は障害のある方がそこへ行き、作業をして、仕事の成果として工賃を得る。今は就労継続支援A型、B型などがあるが、授産所ができた40年代は支援する場として横浜市が作った。公立の施設だけでは不十分だったので、障害者地域作業所などで障害のある方が働く、活動する場所を展開した。授産所は昭和40~50年代から使っている。民間のサービスも充実してきたので今回、民営化となった。授産所の言葉だけではなく、背景も説明した。 その他1 障害者手帳のカード化について 事務局より資料4について説明した。 清水委員/手帳がカード化できるようになったのではなく、今までもできたのに市がやろうとしてこなかっただけだ。療育手帳に子どもの頃の写真が貼ったままになっていてもそのままになっていた。カード化できないかといわれてきたが、お金がかかるからやらなかった。 和田委員/カード化にはメリット、デメリットがあると思うが、それを教えてほしい。 事務局/メリットはサイズがすこし小さくなること。財布に入るので携帯しやすくなること。もうひとつは、身分証明書として、身体障害者手帳を使っている人もいる。プラスチックになることでで汚れが防げる。デメリットは確認できていないが、プラスチックにすると、偽造防止で経費が掛かることがデメリットだと思う。 大橋委員/強く要望したいことがある。ポイントカードなど、最近カードが増えてきている。手帳をカード化するときは、切り欠きだけでは分からない。レリーフ的に触って分かるようにして欲しい。点字をつく手欲しいとまでは言わないが、金融機関などで、アルファベットが浮き彫りになっているのをイメージしていただければと思う。〇にハマでもいいので何かを入れていただきたい。後から要望を受けてやるのでは間に合わない。計画段階から入れてほしい。 事務局/重く受け止めた。 須山委員/カード化にした場合、車のETCの手続きのときに、障害者手帳に車のナンバーなどを書くが、プラスチック製になると、それができないと思う。車も買い替えるのでそこを教えてほしい。 事務局/国から示されているのは、記載が出来るように工夫するようにとされている。車が変わることも複数回想定されるのでそこは実施に当たり検討事項の一つだと思う。 森委員/検討していただけるようだ。 その他1 旧優生保護法による優生手術を受けた方へ 事務局より資料について説明した。 和田委員/12年前に出産した。精神障害の妊婦が産婦人科に行くと、「おめでとうございます」と言われる。薬を飲んでいるなら精神科と産婦人科のある病院がいいといわれた。市大病院か聖マリアンナのどちらかといわれ、私は市大病院を選んだ。精神科に行くと、そこのドクターから「あなたはお母さんにはなれない」「堕ろしてしまいなさい」と言われた。私が出産しているので、そうした問題を抱えてる人から手紙をもらったりする。お母さんが出産後入院しているとき、子どもを児童相談所が連れ去って乳児院に入ることを認めないと、子どもがどこの預けられているか教えないと言われた人がいた。児童相談所のやり方は精神障害者にとってはきついのではと思うがどうか。 事務局/個別案件は、いろいろな事情のもとで行われたのかもしれない。児童相談所の担当をしているが、今の話をお聞きして答えるのは難しい。そういう話があったことは児童相談所には伝えるのでご理解いただきたい。 以上 資料・特記事項 資料1 発達障害施策に係る諮問について 資料2 横浜市医療的ケア児・者等検討委員会の設置について 資料3 第4期横浜市障害者プランの策定について 資料4 平成30年度専門委員会の活動報告について その他 障害者手帳のカード化について 旧優生保護法による優生手術を受けた方へ(厚生労働省リーフレット)