第1回 横浜市障害者施策推進協議会会議録
令和2年6月29日(月) 15時15分から17時
開催場所 ウィリング横浜 12階研修室124-127
出席者 稲垣委員、大友委員、大橋委員、加賀谷委員、片岡委員、西山委員、渋谷委員、清水委員、鈴木委員、須山委員、高橋委員、田中委員、中根委員、永田委員、奈良﨑委員、井上委員、広沢委員、森委員、和田委員、渡辺委員、渡部委員
欠席者 武安委員、多田委員、山口委員
開催形態 公開(傍聴者2名)

1 議題
(1)第 4 期障害者プラン素案について 
(2)軽度の知的な遅れを伴う、あるいは知的な遅れを 伴 わない発達障害児・者に対する施策に係る答申について 
(3)福祉授産所民営化に伴う法人公募について
2 報告事項
(1)令和2年度予算について
(2)令和元年度専門委員会の活動について


議題1/第 4 期障害者プラン素案について 

(事務局より説明・資料1) 
渡部会長/ご意見ご質問をお願いしたい。 
清水委員/プランの理念や方向性はとてもいいと思う。また、医療的ケア児のコーディネーター配置も有効的だと思うが、重症心身障害児者の人の生活を支えるハード面の整備が追いついていない現状がある。医療的ケアが必要な人に対する多機能型拠点、海側三か所の整備が遅れている。重心の人は横浜を横断するような長い距離の移動ができない。週五日の日中活動が得られない状況であり、さらに言えば支援センターの進路対策研究会の資料が行政に渡っていると思うが、今年度末卒業見込み、来年度末卒業見込みの人が加わると完全在宅の人が出てきてしまうのが明らかである。理念だけでは物事は動かないため、重点的な整備を急ぐべきだと感じる。
事務局/お手元の素案の第3章18ページをご覧ください。このページは地域での生活を支える取組の充実ということで具体的な事業名が記載されているが、その中に多機能型拠点の整備・運営という事業を設けている。内容としては常に医療的ケアを必要とする重症心身障害児者等とその家族の地域生活を支援するためとなっている。現在3方面に整備されている多機能型拠点の整備を市内6方面に進めることを第3期プランから継続した目標として掲げる予定でいる。大変遅れて申し訳ないが、中間期の目標として、今後市内4方面には整備を完了したいと考えている。また、プランの最終時期までには、市内6方面の整備完了と掲げている。引き続き地域生活を支える仕組みづくりの充実に努めたい。
和田委員/第3章の第4期の基本目標だが、基本目標に障害もある人もない人もと記載されているが、我々の敵になるのは普通の人だと思っている。支援センターのスタッフにひどい人がいる。私にはてんかんではないが発作がある。夕飯を早く作り上げないと、発作が起きて夕飯が遅くなってしまうので、食べる3時間前に夕飯ができてしまうことはざらにある。そのことを支援センターに相談したら笑われてしまった。これでは相談できない。我々の近い人でも理解していない人がいるので、もう少し考えてほしい。
大橋委員/質問が4点ある。まず、1点目。生活の場面の1と4に関係していると思うが、移動や同行援護事業に関して、我々視覚障害者団体は国に熱心に要望してきたが、この10月から今まで認められなかった経済的活動でも同行援護がつくようになった。今年の1月には、5月か6月あたりに詳しく発表されるとのことだったが、自治体には通知がきているのか。このことが福祉計画に掲載されていない。やるならやるということを明記してもらわないと実現できないと思う。そのあたりはどうなっているのか。
2点目は、改正バリアフリー法の問題で、重度障害者が議員に当選したということで国の施策が変わりつつある。生活1と3の分野だが、インクルーシブ教育推進の観点と災害時の避難所について、小学校中学校のバリアフリー化の改善要求が、DPI日本会議なども含めて車いす関係の人からも要望が出ている。視覚障害の私も災害時にまず避難所の小学校にはいかない。勝手がわからずサポート体制も不十分な場所で、単独で避難所生活ができないからだ。そういうこともあるので、今回の資料を見ると、教育のところにも数値目標が示されているが、これは通常のリニューアルの流れの中のものであり、特にバリアフリー法の改正を受けて予定の2倍や3倍も増やしたという積極的な感じを受けないため、インクルーシブ教育推進や災害時の避難所整備の観点から不十分だと思う。もう少し数値目標を挙げてほしい。
3点目。一人10万円の給付金の資料が届いたが、独居視覚障害者の場合、資料が届いても1人では読んだり書いたりができない。そのため、地域生活支援事業において代読・代筆のサービスの実施を前から言っているが、そういった方向性が書かれていない。実施計画は、どうなっているのか。
4点目。昨年の6月に読書バリアフリー法が制定された。ここ何年か続けて要望しているが、視覚障害者への情報保障の拡充という施策は、今までは法的な裏付けがなかったが、これからは法的にやりなさいと言われているのに、自治体として資料の中に具体的な計画を明記していない。どうなっているのか。法的な根拠があるので、具体的な数値目標などを記載しないのは行政の怠慢である。ワーキンググループでやるというならば、具体的な計画をここに掲載して、ワーキンググループで討議することを希望する。
事務局/ご意見ありがとうございます。和田委員から非常に残念な意見をいただいた。アンケートの結果でもお話させていただいたが、様々な場面で障害について理解されているだろうかという不安があることが分かっている。普及啓発、障害理解については今度のプランでも人材育成を含めて、力をいれてやっていきたい。
また大橋委員からの話だが、労働場面における移動も含めた支援について、厚生労働省からつい先週末に通知が届いている。まだ読み込めておらず、政策につなげていくところまでできていない。国の方向性に基づいて、横浜市としてどうしていくかはこれから議論を行っていく。
読書バリアフリー法については、今回のプランの素案第3章の46ページに取組を記載させており、その中に読書バリアフリー法に基づく横浜市計画の策定ということで、基礎自治体として計画をどのように策定していくか触れているが、具体的な中身についてはこれからなので、皆様の意見を伺いながらと思っている。
3点目について、代読・代筆について、実施に向けて検討しているところだが、計画では十分に読み込めなかったというご指摘だったので持ち帰らせていただきたい。課題として当然認識しているところである。
渡部会長/大橋委員から一言あるとのことなのでお願いしたい。
大橋委員/先週通知がきているとのことだが、これは全国的に視覚障害者団体が強く要望しているので、なんとか方向として福祉計画の中に記載して欲しい。そうでなければ、具体的な数値目標としては出てこない。次は3年先で、そんな悠長なことは言っていられないため、断固やってもらわらないと困る。先週届いてこれから検討するというのは逃げである。国のほうから通知が届いているのであればやってほしい。
事務局/読み込めていないというだけで、プランの中にどのように記載するか検討していきたいと思っている。また、検討部会の皆様にもご議論いただきたいと思っている。
2つ目のインクルーシブ教育とバリアフリーについて教育委員会からお話させていただく。
学校施設のバリアフリー化についてはバリアフリー法の枠内ということもあり、横浜市では必要なお子さんの入学に向けてバリアフリーの構築をしている。また、学校施設全体としては昭和40年代にできた学校が大変多いため、その建替えに向けた検討、各年度で3校から6校といった形で建替えを進めていく。その中で当然バリアフリー化というのは必要な対応となっている。当然防災拠点としても活用されることになるが、全体500校を超える規模なため、なかなかすぐにというわけにはいかないが、順次進めていきたい。御理解いただきたい。
稲垣委員/障害者プランの素案骨子の意見シートを提出している。私が見ても非常にたくさんの意見があった。今回は主な意見ということで、簡単明瞭に集約されていると思う。我々だけではなくほかの団体も含めて集約されていると思う。その意見が今度のプランにどのように生かされているのか。これはできた、できなかったと教えていただきながら説明をいただきたい。
渋谷委員/学校バリアフリー化について、500校ある中で年間に3校から6校やっていたら百年かかってしまう。もっとスピード感を持ってやってほしいと思う。
渡部会長/前半のほうをもう一度お願いしたい。
渋谷委員/基本目標についてです。津久井やまゆり事件やあるいは反対運動についてもどこかに書いてほしい。
奈良崎委員/マスクを外していいか。できれば外してほしい。2点お願いがある。障害者プランは本人が必要なのか。私は正直いらない。もっといいものができると思う。わかりやすい版が欲しい。こんな厚い本はいらない。私の仲間にも読みたいか聞いてほしい。読んでいる仲間は少ない。プランの冊子が必要なのかどうか、もっと必要な資料を作ってほしいと思う。
須山委員/避難のことがでたので。コロナで3密を控える話がでているが、避難の際、学校の場合、3密を避けるとなると避難所が不足する事態が出てくるのではないかと心配する。そのような対処法は考えていないのか。それが気になってお聞きしたい。
渡部会長/いま頂戴した意見に関して、可能な範囲で回答をお願いできたらと思う。
事務局/渋谷委員からお話をいただいた件で、やまゆりの事件やグループホームの反対運動について、確かに今までのご説明では課題感をもっているとお話したが、今の原案の中に文章として入れてはいない。これから素案を作っていく段階で、また検討委員からの意見をもとに文章については検討したいと思う。
奈良崎委員からは、分厚いものではなく、もっとわかりやすいものをと御意見をいただいた。毎回プランを作るときに課題であると思う一方、難しいと考えている。このプランに何が書いてあるのか、どんな横浜を目指すのか、当事者の皆さんの意見を伺いながら概要版を作成したいと考えているところである。
須山委員の避難所の件について、コロナという状況の中で避難所の運営をどのように行っていくのか大きな課題であり、国でも多く検討されているが、横浜でも検討している最中である。今は具体的な内容は言えないが、もう少ししたら皆様にご提示できると思う。
永田委員/(ご意見を紙で頂戴した)
・困ったときにどこに相談をすればいいか、わかりやすくしてほしい。
・グループホームに入居したい人が多いのでもっと作ってほしい。
・人材確保のために、もっと障害のある方と接することができる場所、集まりを増やしたらどうか。
・働き方について。作業所(さおり織、カフェ)で働くことは楽しい。
・今はコロナでいけないが、芸能人のコンサートを見るのは好き。元気で生きていくことは楽しい。


議題2/軽度の知的な遅れを伴う、あるいは知的な遅れを 伴 わない発達障害児・者に対する施策に係る答申について 

渡部会長/いったんここで次の議題に入らせていただく。それでは議題2の説明を事務局よりお願いしたい。
(事務局より説明) 
渡部会長/それでは答申案についてご質問・御意見いかがか。
鈴木委員/発達、精神に限らずだが、困難なところが目に見えづらくて、それを社会の皆様に知ってもらうには、まずは出会うことである。僕らの声をお伝えする機会を作らないとと思っているが、興味関心がある方は勉強会などに足を運んでくれるが、先ほどの話にもあったが、基本目標を達成するためには、福祉に関心のない様々な方を議論に呼び寄せる仕掛けをやらないと、隔たりというのは埋まらないと思っている。
いろいろな属性の方々が、参加しやすい仕組みというのを今一度応援していただきたいと思う。 
渡部会長/ありがとうございます。答申の中では普及啓発というのを掲載している部分になるが、いまご発言いただいたところは今後取り組んでいくのが大切だと思っているところである。 
奈良崎委員/プランに掲載してほしいのは、いろいろな障害を掲載してほしい。発達障害でも症状がさまざまである。私たちの仲間も理解しきれていない。これを読んでいても何を困っているのか分からず、私も発達障害だが、お互いの症状が分からない。できれば掲載してほしい。 
渡部会長/答申ということもあるが、プランにもという意見でよろしいか。 
奈良崎委員/その通り。 
渡部会長/それでは施策に向けてとなるが、今回この案を採択するということでよろしいか。 
(一同省略) 
渡部会長/それでは答申として本日の会の最後に、答申を事務局に提出したいと思う。以上で議題2を終了したいと思う。 

(5分休憩) 


議題3/福祉授産所民営化に伴う法人公募について 

(事務局より説明/資料3) 
渡部会長/ご意見、御質問があればお願いしたい。 
この議題としては選定方法について承認するということでよろしいか。 
事務局/その通り 
須山委員/この民営化することによっての、メリット・デメリットを教えていただきたい。 
事務局/メリットについてだが、1つの効果として サービスの向上、効率的な行政運営にとって有効な手法の一つだと考えている。現在受注企業は公立施設で独自に契約を結び、仕事の受注を行っている。 
民営化によって民間企業としてのノウハウをより発揮いただき、受注の拡大も期待できるかと考えている。 
デメリットについてだが、中と港北の授産所の民営化の際に不安だったのが、利用者がそのまま継続できるか、受注企業が引き続き継続できるかだったが、現在2施設ともそのような支障は生じていないと伺っているため、デメリットが生じないような円滑な民営化を進めていきたいと考えている。 
渡部会長/ほかにいかがか。 
それではこの内容で承認ということでよろしいか。 
(一同承認) 


2 報告事項 

報告事項1/令和2年度予算について 

渡部会長/それでは報告事項に入らせていただく。 
令和2年度予算についてお願いしたい。 
(事務局より説明/資料4) 
渡部会長/それではご意見、ご質問いかがか。 
清水委員/2020年パラトリエンナーレの件。屋根付きアトリウムでの検討をしていただきたい。 
事務局/パラトリエンナーレについてはコロナの影響で、これから実行委員会にて改めて検討する予定である。 
アトリウムを活用するというのは案としてでている。
正式にはこれからそういった検討状況である。 
渡部会長/その他いかがか。 
渋谷委員/小中学校での医療的ケアの拡充について予算化されているが、これは一般級なのか特別級なのか。 
事務局/一般校でも医療的ケアが必要な児童も通っている。その方に看護師を派遣し、学校の中で医療的ケアができるよう対応している。 
渋谷委員/それはわかっているが、特別級だけの話なのか。 
事務局/一般級でも対応できるよう予算化している。 
須山委員/予算概要の 10 ページ、啓発活動の「デジタルサイネージ等」と記載されているがこれを教えてほしい。 
また、コロナの状況でインターネットの教育をやっていると思うが、そういう特別支援級ではインターネット学習を進めるような予算はしていないのか。 
事務局/差別解消のデジタルサイネージ等と記載されているが、「どういうものが差別にあたるのか」というイメージが付くような動画を作成し、様々なところで配信を行いたいと思っている。例えば YouTube 等である。デジタルサイネージとは、駅で大きな画面に映されているものである。新庁舎でも様々なデジタルサイネージがあるため、そこでも放映できればと思っている。
この予算については、令和2年度の当初予算の内容のみであり、文部科学省から通知があるように一人1台端末を進めているところではあるが、令和2年度の補正予算で執行していくという形をとり、合わせて今年度中に一人1台設置する補正予算を組んでいるところである。どういう機種、方法でやっていくか検討しているところだが、今年度中にそういった整備を進め、万が一休校となった場合どこまでオンラインでできるか検討中である。 

報告事項2/令和元年度専門委員会の活動について

渡部会長/それでは最後の議題に移りたい。 
(事務局より説明/資料5) 
渡部会長/それではご意見・ご質問はいかがか。 


5 その他 
渡部会長/それでは最後に、本日確認させていただいた答申について提出をしたいと思う。本来であれば林市長に対して施策推進協議会として提出となるが、今回は斎藤こども青少年局長および田中健康福祉局長に提出を行う。 
(答申の提出) 
渡部会長/それでは事務局より最後にご案内がある。 
事務局/事務局より何点かご案内をさせていただく。 
委員の皆様については、2年の任期がこの6月末で終了となり今回で最後となる。7月以降は新たな委員の方々にお願いをし、新たな議論を進めていく。それぞれの所属にはすでにご連絡を差し上げている。 
引き続きになる方も、長きにわたるご議論にご参加された方もどうもありがとうございました。 
また、障害者施策推進検討部会については7月から8月にかけて、開催を検討しているところである。新たな委員の皆様にお願いをして日程調整をさせていただく。これまでの議論、本日のご意見も踏まえたうえでプランの検討を進めていきたい。 
最後になるが、本日ふれあいショップがオープンしている。市庁舎にお越しの際はぜひお立ち寄りいただきたい。あわせて、「私はまちのパン屋さん」という事業で、障害のある方々で作ったパンを毎週販売している。こちらもぜひお立ち寄りいただきたい。 
それでは事務局より以上とさせていただく。 
本日はありがとうございました。 

以上