(2)がん検診
がんは、横浜市民の死因の第1位であり、生涯のうちに約2人に1人ががんに罹患すると推計されています。がんによる死亡率を減少させるためには、喫煙、飲酒、食生活、運動などの生活習慣を通した予防に加え、検診により、治療効果の高い早期のうちに、がんを発見することが重要です。

市民の行動目標:定期的にがん検診を受ける(働き・子育て/実りの世代)

現状・課題:
○令和3年(2021年)の横浜市民の死亡数のうち、約3割の死因を悪性新生物が占めています。
○全国と比較し、男性は結腸、女性は悪性新生物の総数と乳房の標準化死亡比(平成28年(2016年)~令和2年(2020年)の合算)が有意に高くなっています。
○新型コロナウイルス感染症の拡大時には、がん検診の受診控えも見られ、受診率の向上が改めての課題となっています。また、がん検診受診率が死亡率の減少に直結していない場合もあり、がんの早期発見・早期治療には、がん検診と精密検査両方の受診率向上が必要となっています。

目指す姿:定期的にがん検診を受けています。必要な精密検査を受けています。

目標:定期的にがん検診を受ける市民を増やします。

指標(直接成果)
・胃がん検診受診率(50~69歳の過去2年間)
直近値:全体50.2%、男性57.1%、女性43.6% (令和4年)
目標値:全体60%以上、男性60%以上、女性60%以上(令和10年)

・肺がん検診受診率(40~69歳の過去1年間)
直近値:全体49.2%、男性54.8%、女性43.9%(令和4年)
目標値:全体60%以上、男性60%以上、女性60%以上(令和10年)

・大腸がん検診受診率(40~69歳の過去1年間)
直近値:全体48.6%、男性52.0%、女性45.6%(令和4年)
目標値:全体60%以上、男性60%以上、女性60%以上(令和10年)

・乳がん検診受診率(40~69歳の過去2年間)
直近値:女性50.5% (令和4年)
目標値:女性60%以上(令和10年)

・子宮頸がん検診受診率(20~69歳の過去2年間)
直近値:女性43.6%(令和4年)
目標値:女性60%以上 (令和10年)

取組を推進する10の視点の中で特に取り入れるもの:
①将来を見据えた健康づくり
②性差を踏まえたヘルスリテラシー支援
⑤つながりで進める健康づくり
⑦デジタル技術の有効活用
⑨産学官連携・共創
⑩前計画からの継続課題

行政の取組
働き・子育て世代への取組内容:
○がん検診に興味を持ってもらうため、SNSなどを活用し、対象年齢前の市民を含めた若い世代への啓発を行います。

働き・子育て/実りの世代への取組内容:
○直接的に受診勧奨を行うため、対象年齢となる全市民へがん検診の個別勧奨通知を送付します。
○普段から自分の乳房の状態に関心を持ち、がんの早期発見、早期治療につなげることができるよう、ブレスト・アウェアネスの啓発を行います。
「ブレスト・アウェアネス」とは、女性自身が自分の乳房の状態に関心を持つ生活習慣のこと。具体的には4つのポイントがある。
 ①自分の乳房の状態を知る
 ②乳房の変化に気をつける
 ③変化に気づいたらすぐ医師に相談する
 ④40歳になったら2年に1回乳がん検診を受ける
 これらのことを意識することで、乳がんの早期発見、早期治療につなげることができる。
○区イベントや地域団体による活動等を通し、がん検診の啓発や、がん予防のための禁煙、節酒等に関する啓発を行います。
○要精密検査と判定された人への精密検査受診勧奨を強化します。

関係機関・団体の取組
働き・子育て/実りの世代への取組内容:
○保健医療関係団体として、各種がん検診の精度管理を充実させます。
○健康づくりのきっかけづくりと重症化予防のため、地域でがん検診の普及啓発を行います。
○マスメディアとして、市民が定期的にがん検診を受け、予防、早期発見につながるよう、新聞紙面等を活用し、定期的にがん予防の啓発を行います。